菊花賞 《重賞データブログ》
ローテ別傾向
★神戸新聞杯で上がり3ハロン1~2位の末脚を使った馬
8-5-1-0-1-2/17
勝利率47.1% 単勝回収率151%
連対率76.5%
複勝率82.4% 複勝回収率133%
どこでも取り上げられそうなネタにはなりそうですが、破壊力あるのでウチでも推奨しておきます。
特に後半3ハロン勝負になりやすい神戸新聞杯。
その瞬発力(神戸新聞杯 上がり上位)の質がリンクしやすいのが菊花賞だと私的には捉えています。
イメージ的には外回りや直線の長い芝マイル戦でも通用する瞬発力といいますか。
★芝で5連対以上(内、3勝以上条件)
5-4-4-2-2-17/34
勝率14.7% 単勝回収率67%
連対率26.5%
複勝率38.2% 複勝回収率113%
【該当馬】
⑪サトノグランツ
4-1-0-2/7
⑧サヴォーナ
3-3-1-3/10
⑭ソールオリエンス
3-2-0-0/5
〝強い馬が勝つ〟と言われいる菊花賞
強い馬というのを言語化して調べてみたら戦える数字となりました。
当然、これだけの実績を残している馬を対象にしているデータとなりますので、人気馬が該当しやすくなりますが、そこそこな人気薄の馬も好走しています。
☆芝で5連対以上×単勝オッズ10倍以上
1-4-2-1-1-13/22
単勝回収率60%
複勝回収率137%
8番人気24.7倍 サトノルークス2着
10番人気31.7倍 ユーキャンスマイル3着
9番人気24.9倍 レインボーライン2着
7番人気19.6倍 ゴールドアクター3着
も数字に含まれてます。
上述した4頭の菊花賞以降の実績を見ても(サトノルークスは除くw)
重賞を複数勝利(G1馬が2頭)した馬達が該当していて人気の盲点となっていました。
この点からも〝強い馬〟というのを推し量る上で大きく間違っていないデータかと思っています。
★2歳12月以降デビュー or 明け3歳以降に初勝利した馬
(ノーザンファーム&社台ファーム生産馬〝以外〟)
3-2-4-1-3-21/34
勝率8.8% 単勝回収率127%
連対率14.7%
複勝率26.5% 複勝回収率135%
【該当馬】
⑬ナイトインロンドン 坂東牧場生産
22年12月17日デビュー4走前
未勝利戦(東京芝2400m)
1着
⑩マイネルラウレア ビッグレッドファーム生産
22年12月18日デビュー
⑥リビアングラス ノースヒルズ生産
23年3月11日デビュー4走前
未勝利戦(中京芝2000m)
1着
オカルト臭はするデータですが。
個人的に大手生産牧場の死角を探して不安視するデータとして活用していましたが、今年はこれに該当する大手生産牧場の出走馬は不在。
ならば、逆手に取ってみたらどうなのか?という発想から調べてみたら、期待値優秀なデータだったので推奨しておきます。
調教傾向
★栗東CW 5ハロン66秒台
2-3-3-1-0-20/29
勝率6.9% 単勝回収率30%
連対率17.2%
複勝率27.6% 複勝回収率125%
【該当馬】
⑫ハーツコンチェルト
栗東CW 10/12
5ハロン 66.6秒
3ハロン 36.8秒
ラップ 14.1-11.3-11.4
⑯ショウナンバシット
栗東CW 10/12
5ハロン 66.1秒
3ハロン 36.9秒
ラップ 13.5-11.8-11.6栗東CW 10/18
5ハロン 66.5秒
3ハロン 36.3秒
ラップ 13.1-11.6-11.6
血統傾向
改修前の数年は、勝てない勝てないと言われていたディープインパクト産駒の勢いが爆上がりで、16年~20年の間で4勝を挙げる活躍を見せていました。
新しくなった京都競馬場の芝2000m以上のレースでもディープインパクトの血が頑張っていて、
ディープインパクト産駒
5-2-1-13/21
キズナ産駒
4-1-4-12/21
シルバーステート産駒
1-1-0-3/5
サトノダイヤモンド産駒は特に優秀で3-1-0-1/5と5頭全て違う馬で記録した成績、且つ、ディープインパクト系の中で唯一、単複回収率が100%を超えてます。
菊花賞に話を戻して。
改修前、改修後も芝3000mとして捉えると短距離気質×中距離気質といったメリハリある配合が向いていると思います。
改修前の最後に行われた菊花賞で三冠馬となったコントレイルも、ディープ×Unbridled's Song×Tiznowといった様に中距離気質×短距離気質の構成。
18年に7番人気で勝ったフィエールマンもディープに個性あるスピード力を伝えるプリンスリーギフトを内包。
分かりやすい所でいえば、15年に優勝したキタサンブラックなんかもブラックタイドに母父がプリンスリーギフト系のサクラバクシンオー
他では、3角頂上から下って加速、その勢いのまま4角を回るといった作業が得意だと
私的に思っているニジンスキーの血なんかも評価したいと考えています。
スペシャルウィークの血なんかが良いかなぁって、特に。
新しい京都競馬場の芝で、ディープインパクトの血と並ぶ活躍を見せているのが、ロベルト系。
これらを中心に血統としては評価をしていきたいと思います。
雑談的見解
①トップナイフ
父デクラレーションオブウォー
(米国型ダンチヒ系)
母父スピニングワールド
(米国型ヌレイエフ系)
血統の話は前回の札幌記念で1位評価した時に結構書いた気がするので割愛。
距離どうなのって点は、私的にデクラレーションオブウォー産駒はもっともっと長距離戦に出るべき種馬だと思ってますし、
豪のマラソンレース メルボルンカップ(芝3200m:G1)を制したヴァウアンドディクレアを輩出しているので、少なからずですが血の裏付けはあります。
Blushing Groom 4×4インブリードも未知の距離にも負けない前向きさは補完されていると考えてます。
トップナイフもキャリア7戦で2歳G1 ホープフルS(芝2000m)を逃げて2着に好走したり、
皐月賞 最後方から上がり2位の末脚で7着だったり、
通常以上にG1レースの様相が濃かった札幌記念を2角過ぎから進出して2着に入ったりと字面だけだと何でも出来ていそうな馬がこの枠に入ったのは相当な追い風だと思います。
繰り返しますが、ハイレベル過ぎる札幌記念で見せた機動力は今回でも武器になると思います。
さすがに後ろ過ぎる追走は嫌ですが、この騎手が乗る馬を上位評価するのであれば、それも込みというか、覚悟しての評価なので仕方ありませんw
⑪サトノグランツ
父サトノダイヤモンド
(Halo主張型ディープインパクト系)
母父Oratorio
(欧州型ダンチヒ デインヒル系)
母チェリーコレクトが、
伊G2 イタリアオークス(芝2200m)勝ち馬で、日本に輸入され本馬やワーケアを含む6頭を輩出、全頭が2勝以上、ディープインパクト系の種馬を付けた4頭が4勝以上しているという驚愕な繁殖実績を積んでいる肌馬
この牝系自体が欧州G1馬を複数輩出している名門でもあります。
サトノダイヤモンド産駒が母系引き出し型の傾向が強く、Halo多重持ちの影響もあってか、短距離戦から中距離戦までキャラ立ったタイプが多い印象でクセ者系種牡馬って印象を持ってます。
現状で話すと、距離短縮戦を好む傾向で大幅な距離延長に関しては母系からスタミナや底力の供給を可能とする血流が必要になってくるかと思います。
重賞で馬券内好走したサトノダイヤモンド産駒は現在3頭で(本馬を含む)、血の共通点で言えばニジンスキーの血を持っているという点。
シンリョクカ(G1阪神JF 2着馬)と共通しているのは、ニジンスキー系のCaerleonを内包しているという点。
サトノグランツで見ていけば、
サトノダイヤモンド×Danzig 5×4インブリードと底力系の前進気勢が強化された印象がありつつも、父譲りの先行抜け出し瞬発力の鋭さも継いでいる印象で。
またニジンスキー系の母の母父父Niniski(ニニスキ)が とにかく底力とスタミナ豊富なマラソンランナー。
そのスタミナを伝える能力も高く、欧州長距離重賞馬を多数輩出していますし、分かりやすい例で言えば、
重馬場の府中牝馬S(G2 芝1800m)をブッチ切って勝った後、エリザベス女王杯→有馬記念を連続2着に好走したサラキアも
ディープインパクト×Niniski(母の母父)×Danehill系(母の母父)と
サトノグランツと近似配合で、サラキアも距離延長を得意としていた馬でした。
牝系からの推測ですが、成長力の奥行きが深く完成はまだ先だと思いますし、底力(勝負根性)を増強している面が現状では良い意味でも悪い意味でも溢れていて、それが表れているのが前走の 内で我慢に我慢をさせて直線では馬群を割って伸びてきたあの内容。
溜めればラストの伸びに繋がる、だけじゃなく、溜めればラストのド根性と伸びに繋がるのがサトノグランツ
ダービーが分かりやすい例で、外枠発走→直線も外進路の他馬が周囲に少ない状況。
一応、上がり2位の末脚は使ってますが、道中の追走の雰囲気も中々進んでいかなかった様に映りました。
差し傾向の強い菊花賞というのは合ってると思いますし、当日の馬場傾向を見ないと何とも言えませんが、先週は内が伸びない馬場だったので、他馬が直線内を空けてスパートするなら、その空いた内を突くのも悪くはないと思ってます。
血の裏付けから芝3000m不安解消の仮説も立てられる配合ですし、内でド根性を溜めて溜めて直線、底力勝負で他馬を圧倒して欲しいですね。
⑬ナイトインロンドン
父グレーターロンドン
(中距離特化型ディープインパクト系)
母父メジロマックイーン
(欧州型マイバブー系)
母は地方で何か頑張ってたであろう成績を残してた馬。
半姉に中山牝馬S 2着、マーメイドS 3着と牝馬重賞好走歴のあるリュヌルージュ
とにかく一族を語るより、母父メジロマックイーンのスタミナと底力をより濃く継いだ本馬
これから書く事を調べるの面倒なんであれですが、菊花賞でAlydar ~ カコイーシーズのラインを内包する馬の好走が割りかと目立っていた記憶が片隅にあって。
芝1600m辺りがベストパフォーマーなタイプが多いグレーターロンドン産駒で距離延長が大得意。
記述した様に、底力とスタミナのメジロマックイーンにAlydarと底力一辺倒になりがちな重厚な所に、僅かながらも軽さを足すスピード持続力のボールドルーラーを秘めている母系構成。
菊花賞の血統テーマでもある、短距離×長距離のメリハリ配合。
前走の神戸新聞杯では、最上位評価をした馬ですが見立てが甘く、11着敗退。
大敗理由はレコードが出る程の直線スピード勝負の後傾ラップ決着。
ダービー1~2着馬の再戦が注目されていますが、あの2頭もどちらかというと、斬れ味勝負といういうより耐久力勝負向きの馬で、この2頭の展開になるなら芝3000mという要素も加わって、ナイトインロンドンの台頭があっても不思議ではないと思います。
実際、タイムが遅い=レベルが低い なんて見た目でしか判断出来ないのは馬鹿らしいと思っている私ですが、ダービーの3週間後に行われ、ナイトインロンドンが勝った1勝クラス(東京芝2400m)の2分24秒8の勝ち時計は、ダービーの2分25秒2を0.4秒 上回ってます。
何回も言いますが、状況や条件、展開によって走破時計の質なんてガラリと変わるのでアテにはしてませんがロングラン開催のラスト1週前の馬場と考えると、その価値は捨てたモノではないと思います。
ただ、菊花賞に向く〝軽い瞬発力〟という能力にやや欠けている印象を私的に持っているので、ここまでの評価しか出来ないなぁと思っております。
②ウインオーディン
父エピファネイア
(欧州型ロベルト系)
母父フジキセキ
(Millan Mill型サンデーサイレンス系)
母ピエナビーナスが、通算5勝の内、4勝が芝1200m戦、残り1勝がクイーンS(札幌芝1800m:G3)の重賞を制しており、距離の長短による能力低下を見せないタイプでした。
エピファネイア×フジキセキって、特筆する程の成功例はまだ出していませんが、距離延長時に、勝つか惨敗かって感じで、その勝つ馬ってのが人気薄ってパターンが目立ってます。
今年は皐月賞→ダービーと同じ関東馬が1~2着を独占しているので、この2頭を中心に回っている印象も強いですが、私的には世代レベルは拮抗していると考えています。
関西馬が強い菊花賞ですが、今年はそのアビリティは発動しないと決め付けているので、
東でも西でも京都の3~4角にかけてのクセ者コースを攻略しそうな配合馬を評価しました。
ウインオーディンも、その代表例。
同門のニジンスキー系であるマルゼンスキーとCaerleonといったパワー型の機動力ある血を内包していて。
父エピファネイア(菊花賞馬)
父の母父スペシャルウィーク(菊花賞2着馬)
母父フジキセキ(4戦4勝引退、幻のダービー馬と呼ばれた馬)
といったクラシックに強い血を固めているのも好印象。
機動力という点では2走前の阿賀野川特別(新潟芝2200m:2勝クラス)2着時の内容。
2角12番手から捲っていって4角3番手→2着とスタミナと機動力がないと出来ない芸当で、逃げて勝った馬より遥かに得るものが多かった1戦。
こういった内容が菊花賞に繋がりやすいと思ってますし、少し不安だった折り合い面も前走6着時には解消されている様に映ったので、上位評価しました。
切ります今回
⑭ソールオリエンス
前もって言っておきますが、データや血統の垣根を超えてくる天才肌の馬です。
知ってます。
母スキアが
仏G3 フィユドレール賞(芝2100m)勝ち馬。
母父Motivatorは、ここ数年で日本でも一気にブレイクした血でタイトルホルダーの母父としても有名。
細かくみていくと、ドバイターフを2年連続好走した半兄ヴァンドギャルドやらがいる背景ですが、全体的な評価をすると、中距離もこなすマイラー気質だと私的には判断しています。
ただ、菊花賞ではピリっとしたスパイスになるプリンスリーギフトの血を内包する父系に、Blushing Groom×Danehillと底力を高く強化している点は好印象。
ただそれでも京都で行われる菊花賞としては、軽さ不足で重厚過ぎる配合馬。
阪神開催の菊花賞なら高く評価した血統で、今回の人気馬の中では一番いらないなぁと思う馬。
物語ってるのが、重馬場皐月賞の大外差込み。
ハイペース、重馬場の耐久力勝負が嵌った印象。
ダービーもナイトインロンドンの見解で言ってますが、今年は高速瞬発力戦にはならず、
走破時計の遅さに恵まれた中での2着なので、キャリア3戦でG1制覇とか派手な勝ち方が煙幕になってデータやら血統やら何もかも跳ね返す天才肌な印象がついてますが、細かく見てみると、時計面で胸張れるのは前走位かと。
その前走の2着が物足りないとかは全く思ってませんが、道中では折り合いに専念して、直線一気の後傾ラップ戦。
折り合いに専念出来やすい前哨戦だから良かったものの、本番では、折り合いばかりに専念しにくいですし
〝3角下ったスピードそのまま4角回る〟
この作業が本馬に取って最大の解消出来ていない悪癖、
《加速して回ると外に派手に膨れる》アビリティが発動すると思います。
これで2馬身程度はロスになるでしょうし、このアビリティを意識した控え目なコーナリングを意識しても1~2馬身はロスになりそうなので、
「凄い末脚だけど脚余したよね」
状態に高確率でなりそうだと考えてます。
アビリティが発動しなければ間違いなく上位には来ると思っているので、発動するかしないかの2択、しない方に賭けただけです、要は。
馬以外の不安要素が、京都&阪神では、田口貫太騎手の方が数倍上手いんじゃないかと
思える横山武騎手。
同じキタサンブラック産駒という事でソールオリエンスの実験台にしたのか、今年の差す競馬レベルアップを実戦したのか、一生に一度しかない秋華賞という舞台で競馬を覚えさせる為なのかは知りませんが、チャンスがそれなりにあったヒップホップソウルを最後方追走、直線では外伸び馬場を感じてか、大外をブン回したロスの塊騎乗だった秋華賞。
よく分からない所で号泣したり怒ったりする不安定さもありますし、土曜日のナミュールもモレイラ騎手に乗り替わってあっさり重賞制覇されたので、ダメージあるでしょうね、気持ち的に脆そうなので。
そういった揺れ動いている感情の中、京都&阪神の苦手意識は簡単に取れないでしょうね。
⑦タスティエーラ
めちゃくちゃ悩みましたが。切りました。
調教も良かったんです。
別にダービーから直行ローテが皆無とか何とかなんて気にして切った訳でもなくて。
器用な馬で底力もスピードも水準以上のモノが備わっているのも分かってはいますが、京都芝3000mでは使える脚も一瞬ですし、このレベルのクラスまできたら小回りでこそ発揮出来る能力の持ち主だと思っていますので・・・・。
そういった不安材料がある中で、不利に成り得る直行ローテの人気馬は、私のスタイルとしては、大きな割引材料になるといった理由です。